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2018.10.11

行事報告

「平成30年度  神戸市の母子寡婦福祉大会」

10月7日(日)、秋晴れの素晴らしい天候に恵まれ「平成30年度  神戸市の母子寡婦福祉大会」が神戸市長田区ピフレホールにて開催されました。

◆壇上には全国統一活動テーマ
「つなごう人の輪、守ろう地域の輪」が掲げられています。

大会前の 打合せの様子。 司会者の灘区の山田麻美さん(写真:左下)、母子部長永野真由美さん(左上)を中心に、お互いの体験を共有しながら、発表者の方の緊張を和らげています。

中央区の小西巧子(きょうこ)さんに、『シングルマザーとして歩んで』と題した体験発表をしていただきました。

阪神大震災の翌年に離婚され、夏のバス旅行でたちばな会に入り仲間ができ、以降子ども達と会の活動を楽しみに過ごしてこられたとのこと。

非正規雇用から、50歳間近で正規雇用への転身されるという大変努力された経験をお話くださいました。
「たちばな会の教室で簿記の3級を学び、2級は独学で取得し、1級は難しかったので、定時制高校の社会人コースに入学し、1年間勉強しましたが資格の取得までいきませんでした。 
2年目は、両親からは子供を家に一人きりにして出ていくことに反対されました。自分の中では遊んでいるわけではない。将来の自分たちの生活をよくするために今学んでいるんだという気持ちはありましたが、その当時はあきらめざるを得ませんでした。
子供が高校生になり、将来を考える時期が来たとき、このままでは親が自分に与えてくれた教育の機会すら子供に与えてやれないのではないかと気づき、非正規の仕事では生活していくだけで精一杯で、将来の展望が考えられませんでした。
その時知人が転職の話を持ってきてくれました。50歳も間近な年での転職は不安でしたが、子供に学業を続けさせるため、私は『変わるなら今でしょ』の強い気持ちで転職しました。 その年で正社員になれたのは若い時に磨いたあるキャリアのおかげです。
 非正規のときは収入が少なく、子供の県立高校の授業料も免除にしていただきました。大学を決めるにあたって、子供は美大を受験したいと言いました。三者面談時に進路希望を言うと、先生に美大の授業料は高いので続けられますかと聞かれました。子供はすぐに私の顔を見ましたが、すでに働き出していたので大丈夫と答えることができました。 子供の祖父母が掛けていてくれた学資保険と奨学金、そして正社員になった給与で半年ごとの授業料の支払いも続けることができました。またその奨学金は無利子でしたので、子供がいまだに自分の給与から返済しております。 
フルタイムで働きだして10年余り、家族の理解があり今も仕事を続けています。」

苦しい中でも立ち上がる力を持ち、自分の能力を開花させ、自立して生活する、例えば資格を取得するための勉強をしたりすることがとても大切だということ。

人生とは自分が下した決断の積み重ねで形作られ、人間生きていくうえで一番難しいのは人間関係で(親子関係もそうです)、自分が幸せかどうかは自分の心が決めます。 

周りの人に感謝しつつ、その感謝の気持ちを社会に返すことで自分の生きている意味が見いだせるのではないか。
困った時はひとりで悩まないで、身近な人に自分の悩みや愚痴を聞いてもらうこと、たちばな会などの支援機関を活用するようにと、母子の方々の心に響くメッセージをたくさんいただきました。

アトラクションは、アスタ新長田スティールパン振興会による 「スティールパンを楽しむメドレー 」の公演。
ディズニーの曲などなじみのある曲の演奏に楽しい時間を過ごし、大人と子どもが一緒に体験するコーナーで会場は大いに盛り上がりました。

ひとり親家庭を取り巻く環境は依然として厳しいものがあありますが、ひとり親家庭の生活の安定と向上に向けて、子どもたちが希望を持って暮らせるように、今後もより役立つ情報発信や活動をしていくことを宣言しました。

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次号の広報紙「たちばな」にも掲載予定です。

(あうん)