2021.02.20
1月24日(日)「子どもに寄り添う~不登校の視点から~」セミナーを開催しました。
講師は臨床心理士の房村利香氏で、主に大阪を拠点に活動されています。
不登校は「こうすれば良い」ということは一概には言えず、不登校を理解し子どもにどう関わっていくのが良いのかについて一緒に考えました。
不登校のメカニズムは、学校だけではなく様々なストレスが混ざり合い溜まってあふれている状態で、行きたいけれども行けない状況です。「どうしたらいいですか?」という相談が多いが、原因が分かったからといって行けるとは限らない。人によってそれぞれ違います。
何にストレスを感じ、どういった要因や背景があるかは一人一人違うことを踏まえて、寄り添います。その中で、どういった支援が必要か知っていく。いくつかのアプローチをしながら、ストレスの受け止め方を変えてみるようにアプローチしていきます。
「寄り添う」という言葉はよく使われますが、子どもの話をよく聞きよく観察し深く理解しようとする態度のことです。聞いていれば良いということではなく、理解したことを相手が本当にどう思っているのかとのずれを少なくしていく作業を丁寧にくり返し行うことです。
間違ってはいけないことは「なんで?」など問い詰めるような事は聞かない。
うっとうしい・・何がうっとうしいのか?
中学生のカウンセリングをしていて、3年間話さない子がいた。視線で合図を送ってくる。よく観察し、会話はしないけれど寄り添うことはできますと房村先生。
親の態度がイライラしていたり、疲弊したりしていると子どもは心を開きません。
「私」としてではなく、「○○としての私」のある程度の心の安定が必要です。
また、気持ちを落ち着けてから話をすることが大切です。例えばゆっくり息を吐いたり、アキレス腱を伸ばすなど(緊張するとふくらはぎを固くなるそうです)のストレッチをしたり、水をゆっくり飲むといいですねとアドバイスがありました。
子どもから見た「私」はどういうイメージか客観視すると関わり方が改善されます。
言い方がきつくなっていないか?など、親である私、相談を受ける私ってどんなかなと観察しましょう。
聴くと共感について、自分の思いや考えは一旦置いておく、相槌のバリエーションを使うことを心がけましょう。
先生は「分かる」という言葉は使わないようにしているそうです。
「ほんまに分かってるの?」と子どもは思う。
子どもは非言語コミュニケーションの方を敏感に感じとります。
態度、雰囲気、表情、声のトーンが、相手に与える影響が多いことに気を付けましょう。
相手の事を尊重していることが伝わると安心します。
話の内容や状況が映像でイメージできるか。
つまり、「その子がそう想う」にスポットを当てることです。
『心的現実』といい、話はその人にとっての現実であり、現実的に事実でない可能性もある。
「その時、どう思ってたの?」と聞き、大切なことを伝えたいときは、主語、動詞を付け加えます。
不登校が長引くと焦ることがあるが、子どものペースに合わせることが一番大事です。
子どものポジティブな側面に目を向けます。
生まれた時は、生きているだけでOKから、色々な事ができていくことがOK、さらに成績という評価が入ってくる、友だち関係、思春期と複層していきます。
あなたはそのままの存在でOKよという気持ちを本人が十分感じていない、気持ちが満たされていない状態では次に進めません。
そして不登校であったことに、子どもや家族がどうとらえているかで未来が変わります。
根気よく繋がり続けることが大切です。
今変わることを強要しない→今のあなたはだめということになる。
子どもなりのペースがある。子どもの意思・やる気を大切に、必要があったら手助けをする、やりすぎないことが大切。また、今はフリースクールなど学校以外にも居場所が沢山出来ていますのでうまく活用するなど不登校の子どもに寄り添うためのヒントをたくさん教えていただきました。
参加者の皆さんもたくさんの気付きがあったようです。房村先生、ありがとうございました。
長くなりましたが、不登校で悩んでいる方に少しでもお役に立てば幸いです。
次回は2月27日(土)「すぐに役立つ!気持ちが伝わるコミュニケーション術!」です。
まだ、お席があります。ご参加お待ちしております。
(あうん)